決死の潜入

夜中に目を覚ましたリンツは、バーナード邸へと足を運ぶ

カレンはこの屋敷にいる。けれど会う方法が思いつかない。

途方に暮れるリンツの前に一人の男が現れた。

「あの屋敷に入りたいのかい?」

正義の泥棒 フェン

リンツの前に現れた一人の男。

その容姿は奇怪の一言に尽きる。

服装こそスーツでビシッと決めているが、髪やヒゲはだらしなく伸びきり、夜だというのにサングラスを掛けている。

この怪しいおじさん、フェンは自らを正義の泥棒と名乗る。

何でも、悪いことをしてお金を稼いでいる人達からその財産を奪い、貧しい人達に分け与えているのだそうだ。

そして、今夜のターゲットがこのバーナード家だという。

屋敷には地下から潜入する。そのために下水道を通らなければならない。

ところが、その下水道に謎の生物が住み着いて通れなくなってしまったらしい。

その生物を倒すためにリンツの力を借りたいのだそうだ。

このおじさんはかなり怪しいけど、とにかく今は屋敷に入らなければならない。

リンツはフェンと行動を共にすることになった。

下水道(SEWER)

●ENEMY●

そして、フェンが言っていた謎の生物と対面する。

「なんだお前たちは。ここはオレ様のテリトリーだ。勝手に入るのは許さんぞ!」

どうやら話し合いが通じる相手ではなさそうだ。

本当は近づくのも嫌だけど、リンツは覚悟を決め、謎の生物ドロヘドロに戦いを挑む!

●BOSS●

ドロヘドロを撃退し、リンツ達はいよいよ屋敷の中へ!

バーナード邸(BARNARD’s MANSION)

  

2人はついにバーナード邸に潜入した。

屋敷の中はまるでお城みたいだ。ここが人の住む家だなんて信じられない。

リンツが呆然としていると、フェンがここで別れようと言ってきた。

このおじさん、見た目は怪しい感じだけど本当はすごくいい人だった。リンツはお礼を言い、フェンと別れる。

そして、フェンがカレンの部屋だと教えてくれた通りに進んでいくとそこには・・・・

とんでもなく高価そうな像や美術品、宝石などがギッシリ置いてある部屋があった。この部屋は一体?

フェンは部屋の外でほくそ笑む。

「バカめ。その部屋はバーナード家の財宝がギッシリ詰まった宝物庫だ。

入室を許可されていない人間が部屋に入ると警報が鳴る仕組みになってる。

これで屋敷のガードマンどもはあのガキの方へ押し寄せる。

その隙に俺は自分の仕事に取り掛かるってわけだ。

まったく世間知らずのガキを騙すのはチョロいぜ。」

リンツは屈強な男たちによってあっという間に取り押さえられた。

あのおじさん、僕を利用したあげく、騙したんだ!

やっとそのことに気づくも、時すでに遅し。

僕はこれからどうなってしまうの?人の家に無断で入るのは犯罪だ。

警察に捕まってしまうのだろうか。そしたらママやパパやアネットはどれだけ悲しむだろう。

絶望で目の前が真っ暗になる。

と、その時、廊下に声が響き渡る。

「リンツ!あなた、リンツね!」

そこには女の子が立っていた。

「モーガン、今すぐこの方を離して。この方は私の友人です。

あなた、昼間に訪ねて来たこの方を有無を言わさず追い返したそうね。この私に断りもなく!」

黒いスーツを着たモーガンという男性、あんなに偉そうにしてたのに、この子の前だとすっかり小さくなってる。

「いえ、あの・・・カレン様とのご関係を詳しくお伺いしたのですが、どうも要領を得なかったもので・・・」

「とにかく!この方への無礼は私が許しません!」

間違いない。この子がカレンだ。僕をテレパシーで呼んだカレンだ。

カレンは生まれた時から不思議な力があった。

リンツと同じPSIの力だ。

カレンは数日前に夢を見たそうだ。

リンツという少年が自分をこの家から連れ出してくれる夢を。

カレンの夢はただの夢じゃない。未来を予知する夢、予知夢だ。

「シッ!静かに!使用人が部屋の外で聞き耳を立ててる!

ええ、生まれた時からずーっとよ。私はこの家のお人形さんなの。何一つ自分の意思で行動できないのよ。

もうウンザリ・・・。私は自由が欲しい。リンツ、私を連れて行って!」

それからリンツはカレンと色々なことを話した。

紫の蝶のこと、メークスの洞窟で見た親子の幻影のこと。

そして、明日必ずカレンを家から連れ出すことを約束した。

さっきの偉そうにしてた人、モーガンさんはバーナード家の執事らしい。

そして僕を騙したフェンは捕まっていた(自業自得だね!)。

リンツはホテルに送り届けられ、長い長い夜が終わった・・・

●PEOPLE●

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